どろ、と傾けられたボトルから粘度の高い透明な液体が真っ直ぐに落ちる。緩慢にシャツに吸われてゆくそれを染みこませようとするかのように、ドフラミンゴを後ろから抱えていた男が手を這わせた。全てぶちまけられたローションは、塗り広げられながら肌の色と凹凸を透かす。貼りついた綿越しに、ぷつりと起ち上がった胸の先端を細かく爪で弾かれ、甘ったるい息が鼻に抜けた。
「乳首、勃っちゃってるね」
わざとらしくひそめた声で囁かれる。マイクは拾えるのかと思うが、両の胸を指先で摘まれ擦りあげられると、すぐに状況を俯瞰的に見る余裕はなくなった。
「っひ、ぅん……っ」
てのひらで広く上下に撫でられたかと思うと、指の腹で順にさすられぬるぬると爪を立てられる。じかに下肢へと流れ込む性感に、感覚が更なる欲求を訴える。当たり前だ。愛撫どころか、形式的なインタビューが始まる前から、後ろは無機物に奉仕されている。散々熱を持て余した身体に、早くと急かす言葉が危うく口をついて出そうになるのを、辛うじて堪えた。別の男の手が、スラックスの前立てをなぞる。制服は勿論用意されたフェイクだ。
「こっちもすごいなぁ、ガチガチだよ」
ベルトのバックルが擦れる音が、やけに耳につく。早く、はやく。逸るあまりに立てた膝がわずかに開く。くつろげたスラックスの中で下着を押し下げ、男がかたく張りつめた肉をレンズの前に晒した。つう、と布地の裏と粘膜の先を、ほそい糸が渡る。
「あれ、ねえちょっと」
人差し指で先端の溝を往復しながら、男がドフラミンゴの後ろに目配せする。ぐっと上体を持ち上げられ、下着ごとスラックスが膝まで抜かれた。ずり上がったシャツの裾から、粘液にまみれた手が滑りこんでくる。後方の男は直接胸を捻りながら、前方の男は彼の片脚から衣服を抜きながら、露わにした鼠蹊部を注視した。
「すごいな、こんなにぶっとい玩具ずっと咥えこんでたんだ?」
「ほんとに淫乱なんだねぇ、バイブ入れたままインタビュー受けてたなんて」
打ち合わせどおりの揶揄に、それでもぞくりと身体の芯が震える。そういう設定だから、撮影前から仕込んだだけだ。だというのに、言葉に柔らかく捻じ伏せられて、真実自分は見境なく欲情するけだものの雌のように思えてくる。
「も、我慢、できな……っ」
欲望に負けて腿の付け根に伸ばした手は、届く前に阻まれた。代わりに前の男が玩具の持ち手を掴む。一気にあさましい期待が膨らんだのを咎められるように、凝った胸が甘く押し潰された。
「んぁ、あっ……ん…っ」
ささやかな一対の性感帯を弄られて身じろぐたび、緊張する粘膜と玩具がこすれる。もどかしい快感にかぶりを振るドフラミンゴは、次の瞬間鞭打たれたように喉を反らした。
「っや、あァっ、あ、あ!」
見えなくとも、酷く淫らにのたうつ樹脂の表面が、内壁を嬲っているのが解る。ねじれるようにゆるく回転しながら激しく震え、ドフラミンゴを苛む。育ちきって今にも爆ぜそうな肉から、まただらだらと先走りが伝って陰りを濡らした。
えろが、書きたかったんです。(もう解ったから)

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