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萌えた時に萌えたものを書いたり叫んだりする妄想処。生存確認はついったにて。
30 . April
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30 . September
主についったでリクエストを募って書かせて頂いた短文です。
コシ←シロ前提モチシロ/ジーノ単体/セラサク/ガミサク/サクタン/ジノバキ/ザキジノ/タツドリ/タツゴト入り。
安定のカオスぶりですよ。













【コシ←シロ前提モチシロ】

そんな顔しないでよ、誰にも言わないったら。剥ぎ取った優等生面を紙のように踏み潰し、声を上げて笑う。ねえ、こんなに腹芸が下手なくせにどうしてキャプテンなんてやってんの。好きなんでしょ、と耳に噛みつきながら背にその数字を書くと、怯える獣みたいに息が詰まった。





【ジーノ】

すう、と目が覚めた。目覚ましのアラームは無粋で嫌いだから、もう随分前から自然と覚醒するに任せている。朝食はお気に入りの店のエスプレッソとコルネットに決める。これでヌテッラがあれば完璧だけど、ボクだってそこまで我儘じゃあない。かちりと鳴った時計の針は、練習開始を告げていた。





【セラサク】

どうしてそんなにエロいフェロモン垂れ流してるんスか。全力でぶん殴ろうとしたらスイッチの入った相手の顔に、思わず一瞬手が止まった。下世話で腹の立つ言いがかりをつけながら、下半身を密着させてくるのに今度こそ拳を振り下ろす、はずだった。エロい顔してんのはどっちだ馬鹿野郎。





【サクタン】

「ねえねえ」
 しつこく強請られて貸した耳には小さな告白。自分から引き寄せておいておそろしい機敏さで身体を離すと、あの馬鹿げてでかい笑い声を上げて恥ずいなんて抜かす。それがへべれけに酔った勢いを借りての精一杯だと解ってるから手に負えない。玄関閉めたら覚悟しろよ、酔っ払いめ。

「俺たちもうすぐで付き合っていっしゅうねんだね!」
 気味の悪い猫撫で声で背中をなぞられる。これでそうだったかなんて答えたら更にトーンを上げた非難が飛んでくるのは目に見えていた。そんなに俺で遊びてえか残念だったな。薬指出せこの野郎、今日がその一周年だ。





【ガミサク】

「堺さんてほらあれだよ、なんだっけあの」
「あ、」
「あのお菓子。最近結構どこでも見かけるさあ、中にチョコ入ってる奴」
「ひ、っぁ、あっ」
「あーここまで出てきてんだけどな! まあいいや」
「ぁあ、あっ、も、」
「あれっぽいよね外固いのに中とろとろでさあ」

 どうにかしろよこいつ!





【ジノバキ】

人参、じゃがいも、玉ねぎ、豚肉、カレールー。籠に入れる度、隣に歩くひとの顔を窺う。スーパーの食料品売り場がこんなに似合わないひとを、俺は見たことがない。上機嫌なそのひとは相変わらず端正な笑顔で、ボクは福神漬けは嫌いだよ、と言った。どうしよう、俺はらっきょうが嫌いだ。





【ザキジノ】

最近頑張ってるじゃない?だから、ほら。胡坐をかいた膝の上に、そうするのが当たり前のようにしろい脚が乗る。こんなに疲れちゃってるんだ、僕の脚。ああそうだなあんたの話の真ん中はいつだってあんただよな。勘繰りながらぬか喜びしかけた自分の馬鹿さ加減に酷く腹が立った。





【タツドリ】

お邪魔します。これ以上どこにお邪魔されるんだろうと思ったら、Tシャツがもそりと膨らんだ。少しつめたい、乾いた指がするすると腹を這い登ってくる。あの、達海さん、ちょっとそこは。言い淀むと襟の隙間から覗く猫じみた飴色が愉しげに細められた。ええと、ああもう、お好きにどうぞ。

しばらく見ないうちに綺麗な顔に無精髭なんか生やした元恋人は、比較的友好的な、ただしかつての肩書きは丸ごと捨てたような距離を取ってきた。怒ってる? と精一杯可愛く尋ねてみたら、奴は軽やかに笑った。長い睫を戴く瞳が優しくほころぶ。
「そんなわけないでしょう。恨んでますよ」




【タツゴト】

得意不得意を語る前に、手紙ってもんを今まで書いたことがない。お元気ですかそちらはどうですか。月並みな挨拶文を却下して、延々ポストカードと向き合う。この様で何で書こうとしたのか、曖昧になり始めた動機をそのまま書いてみた。腹筋が攣れるほど笑った後、俺はそれを細切れにした。


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