「愛を請うひと、奪うひと。」(暴力描写有のためR-15/えろはないです)
※2版からは表紙がモノクロ刷りになります! すみません!(マイプリンタが逝きそうになったため)
こんな感じのドフラも当日スペースにいます。クラフトに刷ったので、サンプルもそれっぽく加工しました。
本文サンプルは続きより。
「してねェ!」
思わず、ドフラミンゴは叫んでいた。言葉を遮られたクロコダイルが、何事かと口を閉じる。しかし、戸惑っているのは彼とて同じだった。
どうやら、クロコダイルは本気でドフラミンゴに暴行を加えられたと主張しているらしい。当然ながら、彼にそんなことをした覚えは全くもってない。夢遊病を患っているということもないし(あれば見咎めたクロコダイルに三行半をつきつけられているだろう)、精神的にも物理的にも不可能だ。海楼石もなしにロギア系の能力者を傷つけることなどできはしない。
ドフラミンゴは、砂に変じる彼の弱点を知らなかった。
「……俺がお前に手ェ上げられると思ってんのかよ」
口に出すと随分情けないが、厳然たる事実だった。よしんば彼に命令されたとしても、おそらくそれだけはできない。駄犬と罵られても、ドフラミンゴだって人間だ。愛しいひとに傷を負わせることなどしたくない。その愛しいひとのおかげで、自分のこころはいつでも塞がらない傷に覆われているが、そんなことは露ほども関係なかった。
「とりあえず手当てさせてくれ、今薬持ってこさせるから――」
「やめろ。人ん家の使用人を勝手に使うんじゃねェ」
間髪入れずにされた不思議な拒絶に、ドフラミンゴはベッドサイドに伸ばしかけた手を止めた。
「……ここ、俺の家だけど。家っていうか、別荘だけど」
しかし、今重要なのは家か別荘かという問題ではなかった。
「………………何だと?」
クロコダイルの眉根が寄る。ついで、中途半端な姿勢のままのドフラミンゴが、手に取ろうとしていたものを見て、いよいよ険しい顔になる。
ベッドサイドでは、邸内専用の小ぶりな電伝虫が、粛々と使用されるのを待っていた。確か、クロコダイルの寝室でその位置に置いてあったのはベルだった、とドフラミンゴは思い出す。
乙女ドフラと健気鰐のないものねだりショートです。切な目ベースに甘かったり苦かったり。
お風呂と朝寝という、BL界の一線越え鉄板フラグをねじふせるドフ鰐をご覧になりたい方は是非。

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